教育学習塾グループ代表 川上大樹[エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校]

埼玉県の東武東上線沿線に11校舎ある エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校 の代表のブログ

テスト返却後の親の正しい対応 悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~ 3

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《悩めるママの子育て日記》

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テスト返却後の保護者様の正しい対応

悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~3

 

その日は落ち着かずに子どもの帰りを待っていた。

 

私はまるで自分のテスト返却のようにドキドキしていた。いや、それ以上かもしれない。

(お義母さんから言われたもの。期待もしつつ,もしダメだった場合のことも考えて,二つの目でみないといけないんだったわね。)

 

しかし,私は具体的にどんな対応をしたらよいか,そこまでは義母に聞いたわけではなかった。

 

義母のアドバイスを試してみようという気持ちでワクワクするのだが,具体的な方法が浮かばず

「まぁ,どうにかなるわね」と,岳の帰りを待っていた。

 

「・・・ただいまぁ」


この元気のない声で,岳のテストの結果は大体予想がつく。

(岳ったら,またテストの結果悪かったのね・・・そうよね。だってテスト前あまり集中して勉強してなかったからね。何であの子はやらないんだろう。やれば出来る子なのに・・・)

 

そんなことを考えながらだんだんとイライラし始めてきた。

 

結局いつもこのモヤモヤした感情。

 

このイライラは、実は岳が勉強をしないということや、テストの結果が悪いということへのイライラではない。

 

それもそうだ,岳が帰ってくるまでには,ある程度悪いだろうとは予想していたし,平常心でいたはず。

 

では,イライラの根本は,ガミガミ言っても良くならないということは百も承知なはずなのに,やはりガミガミ言ってしまう,そんな自分へのふがいなさへのイライラだった。

 

そのことに気付いてはいたが,私は認めたくなかった。

 

「岳、テストはどうだったの?」


「・・・うん。良くなかった。」


「見せてごらんなさい」

 

だんだんと強い口調になっていく。

 

「二つの目」のことなんて忘れてしまっていた。

参考→ 子育て・教育に必要な「二つの目」 悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~ - 代表取り締まらない役のブログ(教育学習塾グループ)


「今じゃなきゃダメ?」

 

この言葉にもうイライラの最高潮。


「当たり前じゃないの!どうせ悪かったんでしょ!あなたはねいつも・・・」

 

その大きな声を聞きつけて,義母が声をかける

 

「ちょっと~,手を貸して!お願い!あ~!」

と義母は演技をしてうまく私を呼び寄せた。

 

私は義母の声に少し不自然だと感じつつも義母の部屋へ行った。


「どうしたんですか!?お義母さん」

 

「いいから入って。」

 

どうやら特に用事はないようだ。

 

何か、岳に内緒で私に言いたいことがあるのだろうと察しはついた。


「お義母さん!ちょっと!何でもないんですか?岳と大事な話をしていたんです!急用でないなら後ででもいいですか!?」

 

私は尊敬している義母に対しても失礼にもイライラをぶつけていた。

 

義母はそんな私を包み込むように接してくれた。

 

「そうよね。あなたは岳に大事な話をしていた。だからこそ急だったのよ。

あなた。岳にどうなってほしいの?

ちょっと冷静になってみて」

 

義母はニッコリと笑顔で私にゆっくりと話した。

 

私はその対応にも少しイラつき,義母がまた大切なことを教えてくれるのだということさえ気付けなかった。


「・・・でも,お義母さん!」


「うん。でもあなたの気持ちもわかるわ。

でもね,ガミガミ『勉強しろ!』と言って,岳が勉強をやるようになるかしら?」

 


これはそのとおりで自分でもわかってはいること。

わかっていることを言われるとまたカッとなってしまう。


「・・・たぶんならないでしょうね。お義母さん。だからって何も言わないでいいって言うんですか?

もし私が何も言わなかったらあの子は全然勉強しなくなってしまいますよ!

責任取ってくれるんですか?」

 

義母はヒステリックになった私に対して,またいつもの優しい笑顔ですべてを受け入れてくれていた。


「『勉強しなさい!』は本当に子どもをやる気にさせる自信があるときだけにしないと逆効果よ。

責任?責任なんて誰にも取れないわ。

 

強いて言うならあなたの大切な『岳』自身が,その責任を取らなくてはいけなくなるわ。

 

うん。確かにガミガミ言わなくなったらあの子は勉強しなくなるかもしれない。

でも,今までそうやって育ててしまったのは誰?

ごめんなさい。別にあなたを責める気はないのよ。

今大事なのは,あなたがガミガミ言ってもやらないって事実を受け入れないと。

このままでは岳の成績はキープするのが精一杯じゃない?

あなたが強引に勉強させているだけでは限界がくると思うわ。」


義母のゆっくりと語りかける優しい言葉に私も少しずつ冷静さを取り戻してきた。

 

「・・はい。そう思います。でも・・・どうしたらいいんですか?私にはわかりません・・」

 

ちょっと投げやりな態度をとった私に義母が具体的にどうすべきかを教えてくれた。

 

「そうね。具体的にはねこんなときはこうするの。

『結果が悪い教科にはお母さん興味ないのよ。それより,その中でも良かったやつ2つ見せてみてよ。

お母さんは良かったテストが見たいわ~』って言って,良かったという教科のテストを見てそれを褒めるのよ。」

 

私は,(それができたら苦労しないですよ)と言いそうになったが堪えた。

 

「できるかしら・・・私,今までに岳のこと褒めたことないもの。」


「できるかしら?ではなく,やるのよ。はじめは演技でもいいわ。それが岳のためなんだから。


ねぇ,あなたは忘れているだけ,岳が産まれたとき,どんな気持ちだった?」

 

お義母さんからのこの一言は私の心の奥まで届いた。


「そうですね。あのときは,未熟児で体重も少なく産まれた岳に,元気に育ってほしい。

他は望まないから,ただ元気に生きていてくれればいいと願ったのを覚えています。」

 

「そうね。私も覚えているわ。だってかわいい孫が誕生したときだもの。

岳が初めて言葉を口にしたときはみんなで喜んだわね。そして岳を褒め続けた。

彼が自分の足で立ち上がったときなんて,ずっとビデオで撮影していたものね(笑)。

かけっこで1等になったときは,この子は陸上のセンスがあるのでは?なんて本気で言ってたじゃない。」

 

「はい。あの頃は確かに(笑)」

 

「もし,あの頃,あなたが岳のことを一切褒めずに悪いことばかりガミガミ指摘していたら,彼は成長していなかったわね。」

 

私はそのとおりだと思った。


「はい。確かに今の私は,周りの子と比べて岳を評価することしかできなくなっているかもしれません。

岳を褒めなくなりました。いつも厳しいことばかり言っています。

だから岳は自分で勉強をしてくれないのですか?私のせいなんですか?母親失格ですね」

 

「ほらほら!また!違うのよ。あなたが自分を責めても何も変わらないわ。

でも,この前話した「二つの目」がやっぱり大事なのよ。

岳が成長してくる中であなたは岳に「期待」をしたの。

それ自体はとても良いことなんだけど,期待だけだったから,期待を裏切られたということになってしまっていたの。

だからね,もうひとつの目もしっかりと開けて,彼の結果をしっかりと受け入れれば良かったのよ。

あなたがいくら自分を責めても何も解決はしないでしょ。今からでも遅くはない。

軌道修正ができればいいのよ」

 

「はい。とてもよくわかりました。でも,いつもみたくカッとなって頭ごなしに言ってしまいそう。」

 

「そうねぇ,もしあなたが頭ごなしに怒るとどんなことが起こると思う?

岳は反省をしなくなるのよ。

テストが返ってきたときの彼の心のなかはね,『うわ~。また怒られる。最悪。どうやって怒られないように,いいわけしようか。』ってなってしまうの。

これはマイナスでしかないわ。

本来は自らが反省しないと次に良くならないでしょう。

大切な反省の機会を口うるさい親が奪ってしまっているの。

つまり,あなたが望まないような結果をあなたが引き寄せてしまうことになるわよ。」

 


「そうかもしれませんね。では褒めるだけで伸びるんですか?そうとは思えませんけど・・」


「そうね。もちろんダメなところは指摘しないと。でもそれは勉強面のことなんだから,あなたではない方がいいわ。

せっかく塾に行かせているんだから,ここで活用しないと!塾はそのプロなんだから。

平均点だって調べてあるし,問題の特徴だって知っているし,なにより,岳が学んでいく過程を見ていてくれていたんだから,私たち家族より的確なアドバイスや指摘をしてくれるわよ。

家では褒めてればいいの。岳だって,塾の先生からプロの視点で言われた方が聞くと思うのよ。

必要な役割分担よ。」


「そういえば塾の先生が言っていました。テスト結果を塾に持たせてくれれば的確なアドバイスをしますって」


「そうよ。念のため,塾にメールでもしておくといいわね。『英語と数学が悪かったようなのでアドバイスをお願いします!テスト前ゲームばかりしているんですよ・・・』とかね。」

 

義母ははっきりとした口調で聞いた「ちょっといい?もう一度聞くけど,あの子にどうなって欲しいの?」


「やっぱり,自分で反省をして,次には同じ失敗を繰り返さないで欲しいです」


「安心したわ。そうね。だったらなおさら,あなたがガミガミ言うと岳は自分で考えなくなってしまう。」


義母は付け加えて大事なことを言った。


「あと,褒めたあとに『でもあなたならもっとこうできたじゃない!』っていうのもダメよ」


「えっ?それもダメなんですか?アドバイスですよ?」


「だって岳は今までガミガミ言われてきたから,それもあなたからのアドバイスもそう受け取らないのよ。

いくら的確にアドバイスしていたとしてもね。

もし言いたいのなら,それは次のテストの1週間前にするといいわ。

どうせ今言っても忘れると思わない?」


「確かに・・・」


「じゃ,ほら!岳のところへいってらっしゃい!

はじめは少し演じるくらいでいいのよ。

まずは,良いところだけ褒めて,悪いのは塾の先生のところへ持っていってアドバイスもらいなさい。って言うのよ!」


「は~い!やってみます!」

 

結果,私は完璧とは言えないけど,うまく対処できたと思う。

 

その後,塾の先生に送ったメールがこれ。

 

件名:いつもお世話になっております。
お世話になっております。岳の母です。先日は保護者会ではいろいろためになる話をありがとうございました。
さて,今回の中間テストの結果,とても悪かったです。

はっきりいってがっかりしてしまいました。

でも,先生が保護者会でおっしゃっていたように,ガミガミ言わず我慢しました。

でも,あの子は何も反省していません。

このままでは内申点や,北辰テストが不安です。まだ志望校も決まっていないし・・・・


英語と国語が点数が悪かったので,先生からアドバイスを頂けますか?

本日授業なので,答案用紙を持たせます。よろしくお願いいたします。   岳の母

 

 

その日,塾の先生に的確にアドバイスをもらって,岳はとても良い表情になった。

 

「俺次は頑張る!塾の先生と約束したんだ!」って大きな声で言っていた。

 

そんな我が子を見ていると,母親としては本当に嬉しいもの。

 

でも,このやる気がいつまで持つことやら・・・・

 

おっと,いけない。二つの目,二つの目。    

 

続く・・・