川上大樹|教育学習塾グループ代表 [エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校]

埼玉県の東武東上線沿線に11校舎ある エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校 の代表のブログ

親子のいけない戦争。イライラや悩み 悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~6

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親子のいけない戦争。子育てのイライラや悩み
悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~

 

 

毎朝の光景。

 


「ほら!起きなさい!何度言ったらわかるの!もう起こさないからね!遅刻しても知らないから!」

 

 

毎朝のことで、慣れたことだけど、母親である私は毎朝イライラしている。

 

 

私自身も、この子が朝、自分で起きられるようにならなくてはいけないとは思っている。

 

 

いつまでたっても自分一人では起きられない我が子が、もどかしくイライラしてしまう。

 

 

そして、あの子がリビングにのっそりと起きてくるのもいつもの光景。

 

 

学校に遅刻しそうな時間だというのに急がない。そんな我が子にまたイライラがつのる。

 

 

「あんたは何でいつもそうな!のろまなの?だからテストでも悪い点を取るし、部活でもメンバーに選ばれないんでしょ!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

あ~、また余計なことを言ってしまった。これもいつものこと。

 

 

こんなセリフを言っても彼の心には響かないこともわかっている。

 

 

初めの頃は、厳しいことを言ったり、褒めたり、イヤミを言ったりして、どうにか彼が良くなることを願っていた。

 

 

それが、いつからだろうか……

 

 

ただの愚痴になっていて、何の目的もなく発している言葉になってしまったのは。

 

 

私自身も、良くないことはわかっている。十分わかっている。

 

 

でも、しっかりとできない我が子を見ていると、ついついクチから出てしまう。

 

 

そして彼は、今日もいつも通りの元気のない表情で、少し下向き加減で登校して行った。

 

 

 

そんな姿をみていた義母が

 

 

 

「母親も大変ね~」と言ってクスっと笑い

 

 

「一つアドバイスしてもいいかしら?」と満面の笑みで言った。

 

 

私は自然に

「お義母さん。本当にいつもありがたいです。どうしたらいいんですかね~もう(笑)」

 

 

と言って義母のアドバイスを全て聞きたいという気持ちになっていた。

 

 

お義母さんは人の扱いが本当にウマい。

 

 

もし義母から

「ダメよ!そんな言い方しても、彼には届かないわよ!」

 

と頭ごなしに言われていたら、

 

 

私は

「そんなのわかっています!でもあの子が悪いんです。放っておいてください!」

 

とでも反発してしまっただろう。

 

 

でも、お義母さんは大切なことを伝えたいからと、頭ごなしには言わず、こんな手段で私に声をかけてくれたのだ。

 

 


ハッとした。私は気づいた。

 

 

これなんだ!

 

これが私が大切なことを子どもに伝えたくても、まったく伝わらない理由だったんだ。

 


義母は言った。
「まずね、伝え方が大切よ? 『あなたのことを思っているの!』という言葉は、もうあの子には効果はない言葉。

ちょっと、厳しい言い方かもしれないけど、本当にあなたはあの子のことを思って言っているのかしら?

自分が仕事に遅れそうとか、イライラがたまっていたりとか。違う?笑」

 

 

「お義母さん。その通りかもしれません。

はぁ。お義母さんには敵わないわ。すべてお見通し。笑」

 

 

「伝えたいことがあるなら、伝え方を考えなくては、伝わらないのよ」

 

 

続けて義母が言った。

 

「子どもを叱るにはそれなりの理由があるはずね。でもね、世間のほとんどの親はその理由を見失いがちなのよ。

意味のない声かけ、叱り方があふれているのよ。

『早く起きなさい!』『なんでこんなに点数低いの!』『また、片付けていない!何度言わせるのよ!』『いつまでたっても成長しない』『こんなこともできないあなたにできるはずない。無理よ!』

 

これらの非効果的な声かけはね、親の真の目的とかけ離れたものになってしまっているの。

 

だから親が本来望む結果と正反対の結果を、親自らが引き寄せているのよ。

『勉強しなさい!』と言えば言うほどやらなくなるし、

『片付けしなさい!』と言うほどやらなくなるでしょう。


聞いてもいいかしら?

子育ての真の目的は?あの子にどう育ってほしいの?」

 

 

 

「子育ての真の目的ですか・・・」

 

 

私は考えてみた。

確かにそうだ。私の真の目的はあの子に「自立」させること。

 

 

一人で何でもできるようになって欲しいと願っている。

 

 

でも、それとは逆の結果になるような育て方をしてしまっているのかもしれない。

 

 

不安になっている私の表情を察して、義母が話を続けた。

 


「それにはね、常に意識していないといけないわ。より効果的で、親の真の価値観に合った「子を叱る理由」を持つ責任が、親にはあるのよ。

子どもがテストで高得点をとることが、親の真の価値観?

違うでしょう。その先でしょう。

朝、起きない子を強引に起こして学校に遅刻させないことが、親の真の価値観?

それも違うでしょう。そんなことを繰り返している間は、彼は成長しないわ。」

 


「だって!お義母さん、もし・・・」

 

義母は私の言葉にかぶせて私を黙らせた。


「『だって遅刻したら大変じゃないですか』って言うんでしょ?笑

そうね。大変ね。でもね、結局、ママがどうにかしてくれる。ってことを彼は学ぶの。

朝だって、もう起こさないと言ってももう一度起こすでしょう。

結局最後にはママがどうにかしてくれるってことを学ぶのよ。

世間でもそれが増えているの。

だから、受験が迫ってきてもいつまでも他人事のように捉えて『どうにかなる思考』の子が増えてきているのよ。」

 


「・・・ええ。その通りかもしれません。」

 

「朝のことだけではないわ。普段から、あの子に対して、いつも過剰に反応してはいないかしら?

子どもがいけないことをしようとしているとき、親のなかで無意識に戦う用意がはじまるのよ。

そのとき、親が集中しているのは、子どもの長期的な成長や彼らとの良好な関係ではなく、目の前の子どもの気に食わない行動なの。

それしか見えてないの。

つまりね、戦争全体に勝つより、その場限りの小競り合いに勝とうとしているだけ。
親はあらゆる武器を持ち出すわ。

身体の大きさ、腕力、親である権限。

怒鳴ったり、けなしたり、携帯を取り上げたり、大好きな塾を辞めさせると脅したり、門限を早めると脅したり。

 

そして勝つ。


その結果、破壊された親子関係の破片の中に立ちすくんで、どうしたらいいか分からなくなるのよ。

子ども達は、うわべでは親に服従するかもしれない。

でもね、内心は反抗的な気持ちがつのり、後々になって、思わぬ形で表面化するのよ。

いや、今、表面化してきているじゃない。」

 

「お義母さん。どうしたらいいの?」

 

「大丈夫。いつでも間に合わないことはないわ。

親自身がしっかりと気付いて、軌道修正ができればね。ここで、一度、あなた自身も、「本来の目的」に立ち返ってみればいいのよ。


教育や子育ての目的は「子を自立させ、自らの考え判断で、自ら生きていく力を身につけさせること」じゃないかしら?


特に最初は危なっかしくて小言を言ってしまいそうになるけど、なるべく控えること。

親としての極めて自然な役割は、子を肯定し、1人の大切な存在として認め、愛し、尊び、子の成長を遠くから見守り楽しむことよ。

それを常に意識していれば間違えないわ。がんばってね!」

 


「お義母さん!ありがとう!私がんばってみます!」

 

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