川上大樹|教育学習塾グループ代表 [エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校]

埼玉県の東武東上線沿線に11校舎ある エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校 の代表のブログ

第三話 短編小説「きみ、お金持ちになりたいのか?」

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《塾経営者・塾講師向けnote》

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さらに数ヶ月後-----------------------

 

 

 

 

17歳の少年は、マックの安いハンバーガーを食べながらため息をつく。

 

 

 

 

 

はぁ。ニュースでは景気回復とか言ってたくせに、いつまでもで実感わかないよなー。

 

 

 

 

むしろ、世界経済とな危機感持っている人が増えているとかいう話も聞いたぞ。

 

 

 

 

もういい加減にしてくれないかな。

 

 

 

俺ももうこんな低賃金なんて嫌だぜ。はやく景気が良くなってほしいな。

 

 

 

 

 

しかし、消費税UPはやめて欲しかったねぇ。。

 

 

あの芸能人、なに?1億なんたらのなんとかかんとか?

 

 

まったくひでぇ奴がいるよなー

 

 

もっと金持ちから税金を取ればいいんだよ。

 

 

 

 

まったく世の中不公平だよ。

 

 

 

 

 

そこに、あの老人がゴディバのチョコの入った手提げ袋をもって前から歩いてきた。

 

 

 

 

またかよ。

 

 

 

俺はマックの安いバーガーで、あのおじいさんの手提げには、一粒300円もするチョコレートが入っている。

 

 

 

笑っちゃうぜ。この差。

 

 

 

 

 

若者はひきつった笑顔で挨拶をした。

 

「おじいさん、こんにちは。」

 

 

 

「おう。こんにちは。どうじゃ?最近」

 

 

 

 

 

「まぁ、ぼちぼちですよ。景気回復とか言ってたはずなのに、なんか、不景気ですよ、僕の周りは。」

 

 

 

 

若者はあきらめたような表情で言った。

 

 

 

 

 

老人はニヤっとして、唐突に質問をしてきた。と言うか、僕が何を言いたいのかを読んだのか、その場で急にお金の講義の続きが始まってしまった。

 

 

 

 

「そうかー。君は、不景気ってなんだと思っておるんだい?たいていの人間は世の中からお金がなくなったと思っておる。」

 

 

 

 

「違うんですか?だってみんなお金がないって騒いでいるじゃないですか」

 

 

 

 

「そうじゃな。ない人はない。しかしあるところにはある。」

 

 

 

 

「そんな不公平な・・・・」

 

 

 

「日本に眠る金融資産はおよそ1800兆円じゃ」

 

 

 

 

「えー、多いのか少ないのかわかりませんが」

 

 

 

老人は少しあきれたような表情をわざとして、

 

 

 

「・・・そうか。日本の国家予算が約100兆円。つまり個人に置き換えると、ある人の年収が300万円だとすると、その人が5400万を蓄えている計算になるのう。」

 

 

 

「えぇ?本当ですか?」

 

 

 

「本当じゃ。まあ、国と国民を同一視してみると、じゃが。

厳密には高齢者が多数を保持しているといった問題もあるが、実際に金はあるってことじゃ。」

 

 

 

 

「日本の企業もお金を貯めとる。500兆円じゃ」

 

 

 

 

「じゃぁ、なんでみんな景気良い実感もなく、こんなに苦労しているんですか?」

 

 

 

 

 

「不景気ってのはお金がないんじゃなくて、お金が回らないことなんじゃ。」

 

 

 

 

「回る?」

 

 

 

 

「そうじゃ、例えば、お金の量が少なくても、どんどん健全にお金が回り続ければ、好景気なんじゃよ。」

 

 

 

 

「確かにそうですね。みんながお金を使うようになれば、企業は利益があがり、雇用も増える。給料も増える。そうすればみんなもっとお金をつかう。これですね!」

 

 

 

「お?きみも筋がいいのう。そのとおりじゃ。」

 

 

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 

 

 

「イヤミな言い方じゃが、わしの建てたあの家じゃが、5億のお金が、10億にも20億にもなって回っているのじゃ。」

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

「そう考えてもいいじゃろ。

わしの支払った5億は、まず、あの建設材などを売っている会社や、設計士、建築士、大工、土地の元の持ち主などにお金が流れ、彼らはそれで生活をしている人もいれば、それをさらに投資している人もいる。

実際、前に言ったとおり 5億は支払っておらんがの。

しかも、あの家を手放そうとすれば、数億で売れるじゃろうしな。」

 

 

 

「え?なんか話がうますぎませんか?」

 

 

 

「そうじゃ。うますぎじゃ。富は富を生み出す。お金が健全に回る世の中が理想なんじゃ。」

 

 

 

「じゃぁ、そんなに簡単なら、なんで今は景気良くないんですか?」

 

 

 

 

「そうじゃな、この国の教育のあり方にも大きな原因がある。

お金のことを何も教えようとしない。

いや、先生や大人もお金のことを知らない。

何か深追いすると痛い思いをするもので、タブー視する傾向がある。

お金持ちは何か悪いことをしているんじゃないかとか。」

 

 

 

「確かに言われてみればそんな気がします。」

 

 

 

「そうじゃな。国民は貯金をするように洗脳されておる。」

 

 

 

「はぁ。では貯金はしないで、株やFXや金の先物取引などをしろと言うんですか?」

 

 

 

 

「まぁ、それも選択肢のひとつではあるがな。」

 

 

 

 

「なんとなく怖い気がしますけど・・・」

 

 

 

 

「そこじゃ、お金を投資するのには知識がいる。

学ばないといけない。ただ貯金するのは、学ぶことから逃げ、思考停止しているのじゃ。

だからといって、無知のままお金を投資しようとするとすぐにイチ文無しになる。

目をぎらぎらさせたプロがわんさかおるからのう。」

 

 

 

 

「ほら、怖いじゃないですか。」

 

 

 

 

「そうじゃな。学ばない人にとってはな。」

 

 

 

 

「まぁ、僕はいいんです。貯金をしますよ。怖いんで。」

 

 

 

と言って、僕はおじいさんにお礼を言って帰宅した。

 

 

 

 

なんだかモヤモヤしていた。

 

 

 

明らかにおじいさんの言っていることが正しいと理解していたが、認めたくない自分がいた。

 

 

 

ただ、怖かったのだ。逃げていたのだ。

 

 

つづく。。。

 

 

 

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