子育て・教育に必要な「二つの目」
悩めるママの子育て日記~場面ごとの解決法~シリーズ2
テスト前,テスト返却後の,またいつもの光景。
ママ友たちもみんな同じ。
中学生がいる家庭なら,多くがそうなのかもしれない。
我が家でも,大抵はそうなる。多くの親が抱える悩み
「子どもがやる気にならない」。
もちろん,ご褒美を用意したり罰則を用意したり,いろいろやってみたけど,
お義母さんに言われた言葉
「その方法が悪いわけではないわ。それも試してみるのはいいけど,それは一番安易な方法ね。」
この言葉が耳から離れない。
「じゃぁどうすればいいんですか?」
と聞いてしまった私は,やはり安易な方法で解決したいのだった。
「子に変わって欲しいなら,まずは親が頑張って変わらなくてはいけないの」
と義母から言われた。
私は強く反省をして,義母から素直に学ぼうと決心したのが2ヶ月前だった。
結局、私は変われていなかった。
息子はまた今回もテスト勉強をあまりやらなかった。
もちろん,結果は当然悪いだろう。
それは約2ヶ月前の中間テストの後からわかっていたことだった。
------------前回の中間テスト返却後のこと------------
「あなたいつもそうじゃない!次は頑張るって,前も言っていたじゃない!」
「うん。でも次は本気だよ,次は頑張る・・・」
「あなたって結局そうなのよ!掃除もしないし,お手伝いだってしないじゃない!」
「・・・わかってるよ。うるさいなぁ」
「何がうるさいの!?あなたのことを思って言っているのに!」
「もういいよ!」
バタン!
「またすぐ部屋に逃げ込む!出てきなさい!」
私はあの子の部屋の前まで行って怒鳴っていた。
それを黙って見ていた義母がやっと口を開いた
「あらあら。ダメよ。それじゃぁ。」
「だってお義母さん。あの子,いつも次は頑張る,次は頑張るって言っていて,結局また勉強してないんですから!でも今回は本気だって言っていたので,期待していたのに・・・」
「期待をするのはとても良いことよ。でも期待しすぎることで,結果が悪かったときにいつもヒステリックに叱ってないかしら?」
「・・・・だって,あの子ったら。」
「あの子にどうなって欲しいの?」
「私はあの子に変わって欲しいんです。」
「そうね。あなたの気持ちも分かるわ。でもね,頭ごなしに『勉強しなさい』と言って長い目で見て成功した試しはないわよ。
これは今度しっかりと説明してあげるけど,まず,もっと大事なことがあるわ」
「テストの点数より大切なことですか?もちろんわかっていますけど…」
「ふっふ(笑)そうね。親や先生は,子どもを『二つの目』でみることが大事なのよ。」
「二つの目?」
「そうよ。二つの目。実際の目も左右の目があることにより奥行きがみえてくるの。
片方でも一応見えるけど,しっかりとそのものを見るには二つの目が必要なの。
片方の目ばかりで子どもをみると奥行きが見えないのよ。」
「どういうことですか?」
「あなたは『期待』の目だけであの子を見ているから,彼が頑張っていれば点数も高いだろうと思いこんでしまう。
でも,テストってそんな簡単に結果の出るものばかりではないでしょう?
点数が低ければ子ども以上にショックを受ける親がいるの。子どものテストの点数が悪くて寝込んでしまう親までいるって,おかしなことよね」
「確かにそうですね。じゃぁ,期待をしなければいいってことですか?」
私は少し投げやりに言ってしまった。
「それも違うわ。子どもが『次は頑張る!』と言ったら『どうせ次もあなたはダメなんでしょ』って言ってしまったら子どもは頑張れないわよ」
「・・・たまに言ってしまっているかもしれません。でも,それであの子がやる気になってくれるかもしれない…」
「そうかしら。そう言われて,子どもがやる気になるかしら?『クソー!見返してやる!』なんて反骨精神のある子なら,既に自ら勉強してるわよね。」
「そうですね・・・」
「意識することはね,子どもに対して,しっかりと奥行きを見るためには,一見正反対の視点を持つことが大事なのよ。まずは,どんどん子どもには期待してあげなきゃ。でないと子どもは伸びないわ。こどもの『次は頑張る!』という気持ちはウソではないのよ。本当にそのときは「やるぞ!」って思っているんだから。
親はね,期待すると同時に『もしまたダメだったら』という視点を並行して持っていなくてはいけないってこと。
ダメだったらこんなアドバイスをしよう。
と同時に二つの目で子どもをみること。それが大事なのよ。
期待しかしない親はどうなる?
今までそんなに真剣にテスト勉強に取り組んだことがない子がせっかくやる気になったのに,その気持ちを踏みにじるのね。
しかも,そんな簡単にテストの点数が上がる子ばかりではないから,期待しかしていない親は,裏切られたような気持ちになってしまうのよね。
それで『言ってはいけない言葉』で子どもを責めて,潰していくの。
世の中,こんな問題ばかり・・・」
私は何も言えなかった。
「ちょっといい?もう一度聞くけど,あの子にどうなって欲しいの?あの子を自信の持てない,自ら考えて行動できない人間に育てたいの?」
「そんなつもりじゃ・・・・わかりました。やってみます。二つの視点ですね!」
「そうよ。子どもに期待をしつつ,もしダメだったらという作戦も立てておくことね。いつも言っているけど,子どもに変わって欲しければまずは親が変わらなくてはいけないのよ。」
「そうでしたね。はい!やってみます!」
「実は第三の目って言うのもあるの。今はいいわ。まずは子どものため,あなたのためにも,デーンと構えることが必要ね。そのために二つの視点を心がけてみて!」
「ありがとう!お義母さん!」
続く・・・