川上大樹|教育学習塾グループ代表 [エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校]

埼玉県の東武東上線沿線に11校舎ある エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校 の代表のブログ

第二話 短編小説「きみ、お金持ちになりたいのか?」

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《塾経営者・塾講師向けnote》

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 ↑こちら第一話

 

 

あの衝撃の日から

 

数ヶ月後-------------------------------

 

 

あのときから、若者は、あの得体の知れない裕福な老人のことが気になって仕方なかった。

 

 

 

 

あの豪邸にはいろんな人が出入りしている、どうやら親戚中たくさん呼んで暮らしているようだ。

 

 

 

 

老人は犬も飼っている。

 

 

 

 

しっかし、すごい毛並みの秋田犬だな~。明らかにすごい血統書付きだろうな~

 

 

 

 

 

俺の家なんて、雑種の小汚い犬だもんな。笑

 

 

 

 

 

でもかわいいからいいんだよ。

 

 

 

 それにしてもあの豪邸、、、、建てるのにいったいいくらかかっているのだろう。

 

 

 

まったく金持ちってやつは、俺たち貧乏人から金を巻き上げているんじゃないのか??

 

じゃないとあんな豪邸建てられないよ。

 

 

 

は~あ。

 

 

 

 

俺の家なんて、ぼろアパートだ。でも暮らせていけるから、質素な生活だけど、十分か。なんて思い始めていた。

 

 

 

 

・・・・・ある夕暮れ。

 

 

 

あの犬を散歩している老人とばったり会った。

 

 

 

 

若者はチャンス!とばかりに、

 

 

 

「あの~、この前の続きを聞かせて欲しいんですが・・・」

 

 

 

 

「なんじゃったか?」老人はとぼけているのか、本当に忘れているのか。

 

 

 

「あの、『君、お金持ちになりたいのか?』って聞いてくれたじゃないですか。」

 

 

 

「あ~、その話か。 何が聞きたいんじゃ?」

 

 

 

「えっと、おじいさんの犬がその立派な犬で、僕の犬がこの雑種です。そのワンちゃんいくらくらいしたんですか?」

 

 

 

 

「値段か。覚えておらん。それより、きみの犬。かわいいな~」

 

 

 

 

 

「・・・・・・あ、ありがとうございます。おじいさんの住んでいる家ですけど、ざっと見るに、土地入れて3億くらいですか?」

 

 

 

 

 

 

「きみ、ズバズバ聞くね~、まぁいい。

いや、建てた当時バブルじゃったから5億じゃったな。あれは少しやられたわ。

わっはっはっは」

 

 

 

「・・・・僕の家は・・・・まぁ、ボロ家ですけど、うちの親は毎日真面目に働いていてあの家を購入したんですから、それでいいんですよ。ははは・・・人を傷つけたり、悪いことまでしてお金持ちにはなろうとは思わないですし・・・」

 

 

 

老人は急に目つきが変わり

 

 

 

「ボロを着るのを褒めてはいけない。」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

「すべての貧乏人が高潔だとは言えないのと同じように、すべてのお金持ちが強欲で人々から搾取しているとは言えない。」

 

 

 

 

「すみません。」

 

 

 

 

「そんな言葉が出てくるなんて、君はお金持ちをひがんで、ねたんでいる気持ちがないだろうか。」

 

 

 

 

 

「・・・・・ない。とは言えませんね。」

 

 

 

 

 

「ねたみ、ひがみの感情は無くさなくてはいけないよ。

ある人をねたんだり、ひがんだりする感情は、もうその人には追いつけないのであきらめ、ということに直結している負の感情じゃ。

 きみはあきらめているのかね?」

 

 

 

「いいえ!あきらめてはいません!」

 

 

 

「そうか、なら、今日もひとつ教えてあげよう。」

 

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

「まず、あの家じゃが、5億と言ったが、その5億は私が家を建てたときに消えたのだろうか?」

 

 

 

「そうでしょう。だって5億支払ったのですから」

 

 

 

「いや、正確には5千万だけしか、初めには支払っておらん。その後はわしの財布からは支払っておらん。賃貸人が支払ってくれておる。」

 

 

 

「えっ?一緒に住んでいたご親族ではないんですか?」

 

 

 

「1階はすべて貸し出しておる。わしは実質頭金だけで、あとはその賃料から払っておる。払い終わると頭金の分も補ってもらう計画でな。

まぁ、何かあっても、あの家を今手放せば1億以上で売れるがね・・・」

 

 

 

 

「なんと・・・・・」

 

 

 

「お金持ちってのはお金を賢くつかっているのじゃよ。お金にお金を稼いでもらっているんじゃ。嫌味な言い方じゃが、本当のことじゃ。」

 

 

 

 

「どうすればそんなことができるのですか?」

 

 

 

 

「どうすれば?今言ったとおりのことをしただけじゃ。

はっはっは。仕組みじゃ。

このワンちゃんも毎月の家賃収入で買った。

だから値段覚えておらん。欲しいものがあったら、資産から得られる収入で購入する。

金持ちはワンクッション入れるんじゃ。

はっはっは。実はあの家の頭金の5000万すらわしのお金じゃないんだ。

銀行のお金じゃ。はっはっは。」

 

 

 

 

と言いながらおじいさんは豪邸、いや、賃貸スペースつきの家に帰って行った。

 

 

 

 つづく・・・・

 

 

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