車好きの生徒。
彼は中学時代、勉強が極度の苦手で、テストをやっても白紙になってしまうこともあった。
彼はテストの裏に好きな車の絵を描いていた。
彼は勉強が楽しいはずもないのに塾には遅刻欠席はしなかった。
この真面目さが彼の取り柄かもしれない。
彼は夢を持ち、自動車科のある高校に頑張って入学し、今は夢であった自動車整備士として立派に働いている。
ある日、近くの自動車販売店の前を通ると、彼が作業着のツナギを着て、ぎこちなく車を誘導していた。彼の姿はとても輝いて見えた。
俺は、彼の話を保護者会や入塾説明会でいつも話していた。
県内TOP校に入学した卒業生の話よりもしていたかもしれない。
どちらも誇りだ。
精一杯頑張って自分の道を切り開く姿が、なんともかっこ良いじゃないか。