うへへ。
この星、地球の支配者気取りの人間たちを、たった数ヶ月で恐怖のどん底に落としたのは、宇宙人の来襲でもなく、隕石の衝突でもない。
目に見えないほど小さな、俺たちだ。
「ただの風邪だから、そこまで怖がらないでいい」って言ってた専門家とやらも多くいた。
人間たちは、さぞ驚いただろうな。
人間たちには申し訳ないが、俺たちだって、生き残るのに必死なんだ。
悪いが、俺たちなりにやらせてもらうぜ。
おっと、
そんな俺たちの名はコービッド。
日本にいる人間たちからは何故か「コロナ」と呼ばれる。
世界中で恐れられる存在だ。
俺の生き残り方は、咳などに乗っかり飛び移る。
直接、他の人間の粘膜に飛び移ることができれば、一番効率が良い。
が、そんな幸運は少ない。マスクをする人間が増えてしまった。
とくに最近は、ソーシャルディスタンスとやらで、人間たちが距離を取るようになってきていて、飛び移れない、、、
さーて、こうなったら、俺の拡散方法は、付着だ。
手に付着して、間接的に、目、鼻、口の粘膜を狙うぜ!
ふっふっふ。
一部の人間は、エレベーターのボタンを押すのを嫌がったり、握手を嫌がるらしいが、
何もわかっちゃいない。
俺たちは、皮膚からは体内に浸透できるわけない。
粘膜からじゃないと入っていく力はない。
俺の目的は生き残ることだ、多くの種を残すことだ。
俺たちにとっては、手洗い、アルコール消毒が一番怖い。
あ~、最初の頃は良かったな~
人間は、すぐに顔付近を触るやつが多い。あの頃は、すぐさま拡散できた。
しかし、
人間たちが、反撃してきている。最近は押され気味だ。
このままやられてたまるか。
俺たちだって、生き残るのに必死だ。
さ~て、人間たちはそろそろ油断する頃だぜ。
そこが、また俺たちのチャンスだ。
ニヒヒ