川上大樹|教育学習塾グループ代表 [エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校]

埼玉県の東武東上線沿線に11校舎ある エイメイ学院 明成個別 Elena個別女子 EIMEI予備校 の代表のブログ

第一話 短編小説「きみ,お金持ちになりたいのか?」

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《塾経営者・塾講師向けnote》

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ある町に、裕福な老人がいました。

 

 

 

近くに住む17歳の少年は,いつもうらやましそうに老人を遠くから眺めていました。

 

 

 

「どうやったらあんなに裕福になれるのだろうか。どうやってお金稼ぎをしたのか。」

 

 

 

 

 

ある日、老人と目が合った。

 

 

 

若者は老人の目を見つめた。

 

 

 

 

「若者よ。なぜ,いつも私を見ている?」

 

 

 

若者が答えました。

 

 

 

「うらやましくて。おじいさんのようなお金持ちになるにはどうしたらいいですか?」

 

 

 

老人が笑顔で答えました。

 

 

 

 

「きみ、金持ちになりたいのか?」

 

 

 

 

若者は瞬時に

 

 

 

 

「はい!それは大金持ちになりたいですよ!できれば手っ取り早く。」

 

 

 

 

老人も,その答えを予想していたかのように瞬時に

 

 

 

「そうか。君はいくらあれば幸せな大金持ちになれるんだろうか。」

 

 

 

 

若者は少し考えて

 

「そうですね~,1億円くらいですかね。まぁ,無理ですけど。」とおどけていた。

 

 

 

「1億が手に入ったら,君はどうするのだ?」と老人が聞いた。

 

 

 

若者は当たり前のように

 

 

 

「おいしいものを食べて好きなものを買います。残りは貯金しますね。」

 

 

 

老人はニヤっとして

 

「おいしいものを食べたり,好きなものを買うのは,少し頑張れば今でもできるだろう。」

 

 

 

若者は黙ってしまった。

 

 

 

「貯金?だったら君の貯金通帳の残高に100,000,000とペンで書き足せば良いではないか。」

 

 

 

若者は少しムキになり

 

「それじゃ意味ないじゃないですか!」

 

 

 

老人は当然かのように

 

「なぜじゃ?どうせ使わないで貯金するなら,ただの数字だろう。」

 

 

 

若者は少し戸惑って

 

「もしものときのために貯金するんですよ。もしものときのために・・・」

 

 

 

老人はこの答えもわかっていたように

 

「もしもの時っていつだろうか。」

 

 

 

 

若者は面倒くさがりながら答えた。

 

「それは,世界大恐慌だったり,バブルの崩壊だったり,大不況が来たり,,,」

 

 

 

「それは君が生きている間でどのくらいの確率で,何回くらい起こるのだろうか、そのもしもという出来事は。

もし起きたとして,何億円があったら助かるのだろうか。

逆に何億円も必要なのだろうか。」

 

 

 

と老人は答えた後,老人は話を変えた。

 

 

 

 

「手っ取り早くと言ったかな? では,銀行強盗をすれば手っ取り早いぞ」

 

 

 

若者は大笑いをした。

 

 

 

しかし,老人は真面目な表情を崩さない。

 

 

 

「え、それじゃ,犯罪じゃないですか。逮捕されたら幸せではないでしょう。」

 

 

 

老人は真面目に

 

「そうか。じゃぁ,ただの金持ちになりたいというわけではないんだ。」

 

 

 

若者はハッと気付いた。

 

「確かにそうですね。」

 

 

 

「人は金持ちになりたいと言うが,どんな金持ちになりたいのか。金持ちになって何がしたいか。ということを忘れている。それでは金持ちになれない。」

 

 

「世の中の金持ちを見てみろ。みんな大きな志があって,その過程で必要だから金を手に入れた人が多い。

もしくは,勝手にその対価として金持ちになったわけだ。

つまり,金持ちになることを目的にしたらいけないということだ。」

 

 

 

若者は何か大切なことを学んでいるような気がした。

 

 

 

「おじいさん!もう少し教えてください!」

 

 

 

「いや,今日はこれくらいでいいだろう。帰って犬の散歩せにゃならん。また今度な。」

 

 

 

と言いながら,帰り際振り向き

 

 

 

「金を手にする方法も大事だが,その前準備として金に対する感情が大切になるんじゃ。

金を手にした代わりに,身を滅ぼしていった人間がたくさんいるという事を聞いたことあるだろ?

宝くじを当てたり,財産の相続で大金を手にした人の全員が幸せになるわけではなく,不幸な人生へ転落している人も意外に多い。」

 

 

 

と言いながら,老人は家へ入っていった。

 

 

つづく・・・・

 

 

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